2010年11月4日木曜日

映画『アバター』と『ハート・ロッカー』について

今年のアカデミー賞(通称オスカー)授賞式で、
それぞれ最多9部門のノミネートを受けた『アバター』と『ハート・ロッカー』。
『アバター』は、半年前くらいに観たのですが、
今春のアカデミー賞の主要部門である、作品賞や監督賞を獲得した『ハート・ロッカー』を今回、鑑賞しました。

『ハート・ロッカー』の監督は、キャスリン・アン・ビグロー。
元ジェームズ・キャメロン氏の奥様だそう。

という訳で、対するジェームズ・キャメロン氏の『アバター』と幾分比較目線で鑑賞
してしまいました(^w^;)

『アバター』について…
http://movies.foxjapan.com/avatar/

個人的にノンフィクションのヒュウマンドラマが好きなことも一理あり、
『アバター』のような3D映像というのは、とっつき難い印象もあれど、
ただ単に、マニアックなビジュアル重視の作品ではなく、
ストーリーがとても印象的だった。

「人間」と「ナヴィという人間型の種族」と、それぞれの思想が絡み合い、
投げかける問題がよりスケールを感じさせた。
そのテーマに、生命の尊厳について、しっかりと重点が向けられていたことが、
3Dである幻想的な光景の中にも自然と溶け込んで新密度が深まり、
より感動の種を蒔いたのだと思う。

『ハート・ロッカー』について…
http://www.hurtlocker.jp/

壮絶な戦争の有様が綴られていて、とてもショッキングな映画。
女性監督作品とはなかなか思えないくらい、露骨に戦争の有様、悲劇を投げかけている作品だった。リアリティーがある分、始終緊張感がよぎった。

強靭な意志を持って爆弾処理に立ち向かう兵士の姿は、逞しくありつつも、そうせざる得ない境遇を生きる姿に心を打たれる。
一度は、生きて故郷に戻ってきた兵士。だが、家族を残してあらたな任務に戦地へ向かう兵士の生き方が印象に残った。

この2つを観て、個人的には『アバター』の方が、私は好きだった。

リアリティに優れた『ハート・ロッカー』。
リアリティある作品の方が好きな自分が、
なぜここで、『アバター』の方を、好んだのかというと…

『アバター』の方があたたかさを感じたから。
3Dが加わると、無機質なイメージにとらわれる。
だけれど、ストーリーにハートがこもっているのを感じた。
なんというか、『アバター』がポジティブな印象に移った反面、
『ハート・ロッカー』は、ネガティブな印象として伝わってしまった。

『ハート・ロッカー』は、
人間の本能とも言うべきか、良い思いよりも、悪い、怖い思いの方が、より深く心に感銘をもたらす。それと同時に辛いことに対する心理的定着が強まるとインパクトもその分増す。
ショッキングなシーンの連続は、たしかにインパクトが強かったけれど、
後味は、さらに酷なのだ。
現代の映画に良くみるパターンで、ドキュメンタリーそのものでショッキングな映画。

だから、真実味がある分、重みはあるが、個人的に今の映画に思うのは、
今後はもっとハッピーエンドの映画が増えてくるといいなと思っている…。

3Dといえば…~2012年以降に3D版を公開するというスターウォーズ。
こちらも、SFタッチの最高傑作。

以前、このスターウォーズに出てくる「ヨーダ」を私はある意味を込めて描いた。
というのは、実際には存在しないものをあたかも、実在するかのように描くことを試みたのだ。
実在し得ないものが、あたかも現実のように見える…
この点は『アバター』のストーリーに感じたハートの部分と同じ感覚といえる。

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