2010年10月31日日曜日

生き物がたり

近頃のニュースで、よく町中に動物が姿を現し、食物を荒らす、人を襲うという話題が持ち上げられている。

私の自宅付近でも、2週間前、早朝に父が鹿を目撃したそうだ。

また、それよりも随分前の話なるが、早朝、自宅ベランダから物音がして不審に思って行ってみると、野生のサルがいるのだ。
目を疑ったが紛れもなく本物だった。

その時全開にしていた窓をドキドキしながら、恐る恐る締めたことを憶えている。

その直後、近所から電話があり、「お宅にサルが入り込んで来てませんか?」

一体どこからやって来たのだろう。
自宅付近にはサルがやって来そうな山や草木に囲まれた森林などは見当たらない。

そうして結局、近くの派出所(交番)に電話し、近所を巡回してもらったことがあった。

こうした出来事が身近でも次々に起こっているという事実に、近頃のニュースを見ていても頷ける。

だけれど…
全国で熊が人を襲ったり、あらいぐまが畑を荒らしたりなどの複数のスクープ。
そして、生活を脅かされる人間は、自らの領域や命を守るため、
熊やあらいぐまを次々と射殺、駆除している。

ある報道番組で、今年の夏の異常気象により熊が冬眠までの間に蓄えとする餌の全ては、
ほぼ全域が枯れてしまったという、熊の生態に詳しい専門家の意見を耳にした。
『行き所を無くした熊が人里に現れているという事実』について、それは深刻さを物語っている。

一方、
ペットとして飼われていたあらいぐまが不法投棄…
あらいぐまは、必然的に増殖し続け野生化。
農作物を荒らし、人に襲いかかるという凶暴なあらいぐまも現れているそうだ。

それらをメディアが大きく取り上げ、
「各地でおおきな被害が起きています!」と訴える。
それらの報道に、恐怖を覚え、繭を潜める視聴者。

「もの言わぬ動物たちは、人間のこのような行動や言動をどのように捉えているのだろう?」

さまざまな共存共栄でなりたっている自然。

人間のエゴに動物や植物が脅かされているのだという見解よりも、
人間がその被害にあっているという表現や印象を、メディアは幾度も繰り返す。

動物達は、人間のそうした警戒心をどう感じるのだろう?

半ば一方的に被害妄想を膨らます人間。
方や、本来被害を受けているのは動物達ではないのだろうか。

TVを見ながら思う。メディアとは脅威感をもたらすには秀でている。
しかり、現実とは明らかに食い違った意見をも定評してみせる。

これについて、
エコを実現しようとする人間達の思惑とは!?
そうしたメディアの捕らえかたとはこれ如何に!?

ボーっと見ているのだが、ふとそう考える自分がいた。

0 件のコメント: